当事務所では、裁判証拠などの会話の反訳を高めに設定しています。
その理由は3つあります。
・音が弱いことが多い
・内容が分からない場合が多い
・音声の正確性が求められる
それぞれの理由を述べます。
1、音が弱いことが多い
音が弱いというのは、小さい、はっきりしない、聞きづらいという意味です。
人間の声は会議のようにしっかり声を発して発言するときは聞きやすく文字起こしも楽ですが、通常の会話は早口だったり発言も不明なことがあります。
言いにくいことは口ごもったり、声が小さくなる傾向があるため、そこの聴き取りに苦労します。何度聞いても分からないときは伏せ字などで処理をさせていただくこともあります。
一般の会議や講演会の手順は、粗起こし→聴き直し1回 → 不明箇所の確認で作業終了ですが。反訳の場合は最後の「不明箇所の聴き直し」を最低でも5回ほど、多いときは数十回となるため、とても時間がかかります。
2、内容が分からない場合が多い
守秘義務からか、法律事務所様など、依頼者の方は会話の内容や背景を教えていただけないことがほとんどです。
教えていただけたとしても「離婚案件です」などざっくりとした内容にとどまることがほとんどです。
もしくは「音を聞いて聞こえたまま起こしてほしい」とか。
ほんのちょっとの情報があるだけで仕事の進み具合が全然違います。
機密保持誓約書もありますのでお申し付けください。
3、音声の正確性が求められる
反訳の元々の意味は、速記文字を普通の文字に戻すことをいいました。
最近は速記の需要がなくなり、音声を文字にすることを「文字起こし」「テープ起こし」「書き起こし」「反訳」というような言葉で表現しています。
その中で反訳は「聞こえたままを文字にする」という意味合いが強いようです。
裁判証拠のための文字起こしを反訳と言われる方もいます。
裁判に使用するため、正確性が求められます。
「ある」「なし」だと聞き分けしやすくても「なかった」「あった」だと音声によって聞きづらいときもあります。
言葉ひとつでイエスかノーか、全然違う意味になるので、こういう部分も前後や会話の背景などを考慮し何度も聴き直します。
ご時世なのか、以前は法律事務所さんからの依頼がほとんどだった「裁判証拠に使用」するための反訳も、最近は個人の方や、中間業者さん(印刷会社さん、イベント会社さん)からの依頼も増えてきました。
反訳を請け負っていないテープ起こし業者さんもありますが、当方は開業したときから取り扱っています。
ご不明な点は、お問い合わせフォームより問い合わせください。
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